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どんな石でも磨けば光る

綺麗な石も普通の石も磨いてみます

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戦利品紹介1

東京国際ミネラルフェア(新宿ショー)とミネラルマーケット、行ってきました。
買ってきた鉱物の整理と写真を撮るのに時間が掛かってしまいました。

東京は梅雨入り直後だったので、残念ながら雨が多かったのですが、
天気が悪いにも関わらずどちらのミネラルショーも多くの人で賑わっておりました。
写真を撮るのは基本的に禁止だったので会場の様子はお見せできませんが、
戦利品を紹介していきたいと思います。

観賞用、研磨用、お仕事用といろんな目的で岩石、鉱物を買い漁って来ましたが、
今日お見せするのは、そもそもミネラルショーに行く動機となった物です。



写真1 見た目はただの石。縦4㎝、横5㎝。


写真1の岩石は1500円で買いました。見た目は白っぽい灰色、
一見すると石灰岩や苦灰岩にも見えますが、ウェルネ石(wernerite)という鉱物が多く含まれています。
ウェルネ石という鉱物は柱石の一種であり、厳密に言うと鉱物種ではないようです。
柱石は硬度5~6で、ここではちょっと説明し難い非常に複雑な化学組成を持ちます。
石灰岩や深成岩、変成岩と比較的幅広く産出しますが、カルシウムが多く含む岩石に見られます。

写真1のウェルネ石は見た目は地味な岩石ですが、特徴的な性質を持っています。



写真2 部屋を暗くし、ブラックライトを当てたウェルネ石の様子。


写真2は部屋を暗くして長波紫外線を当てたウェルネ石です。
写真1では白っぽい部分が黄色くなっていることが判ります。
これは蛍光と言われ、鉱物に紫外線を当てると一旦吸収された紫外線が、
余分なエネルギーとして放射され、光として見える現象です。
蛍光する鉱物は蛍光鉱物と呼ばれ、稀少というほどではないですが
それほど多くは有りません。ウェルネ石は黄色の蛍光を出す蛍光鉱物の1つです。

蛍光鉱物は実習などで良く使うのですが、このウェルネ石は手元にありませんでした。
買いたいと思っていたところ、とあるサイエンスショーで蛍光鉱物を展示していた博物館の方に、
東京ミネラルフェアにのみ出展するとある業者から安く買えるということを聞き、
買いに行くことになった、という訳です。

ウェルネ石は目的の1つでしたが、もちろん他にもたくさん買いました。
蛍光鉱物つながりではハックマン石(Hackmanite)という鉱物が有ります。



写真3 縦2cm、横3cmほどのハックマン石。右はブラックライトを当てた様子。
    オレンジ色の蛍光が見られる。


写真3はハックマン石(青色部分)と長波紫外線を当てた様子です。
ハックマン石は硬度5.5、方ソーダ石の一種で、同じグループに
サファイアと似ていてサファイアより高い宝石の藍方石(hauyne/アウイン)、
ラピスラズリを構成する主鉱物である青金石(lazurite/ラズライト)などがあります。
このハックマン石も上記2つと同様に宝石として扱われていますが、
蛍光を発するという以外に、大変珍しい性質を持ちます。

それは変色するというもので、太陽光(紫外線)に当てると赤紫になります。
そしてしばらくすると少しずつ色が戻ります。
変色効果と言われるこの性質は、アレキサンドライトに代表されるように
光の当て方によって変色することがほとんどなのですが、
ハックマン石は石そのものの色が変化する稀有な鉱物です。
今回上記の標本を500円で手に入れたのですが、それほど大きくないとはいえ、
大変お買い得だったと思っています。

今回は蛍光鉱物の紹介ということで、次回は石英系を紹介いたします。
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プロフィール
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性別:
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趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
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