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どんな石でも磨けば光る

綺麗な石も普通の石も磨いてみます

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戦利品紹介7

ミネラルショーに行ってから実に一か月以上も経っているのですが、
未だに手に入れた鉱物の紹介が終わっていません。
早くしないと次のミネラルショーが迫っています。

前回の予告通り、今日は水酸化鉱物です。
水酸化鉱物と言っても今日紹介する3つの鉱物は、分類上はケイ酸塩にあたり、
組成にOHが含まれるので水酸化鉱物と呼んでいます。
ケイ酸塩ではない水酸化鉱物もあり、そちらは独立したグループとして分類されています。

まずは、水酸基のついたケイ酸塩としては最も知名度が高そうなトパーズから紹介致します。



写真1 トパーズの原石。縦3㎝、横5㎝、厚さ2.5㎝。

写真を見て、これが?と思われた方がいるかもしれませんが、
お店の方が間違えてないなら、トパーズです。
飯田橋の方のミネラルショーで、1000円でした。

日本名を黄玉、斜方晶系に属し、モース硬度で8、Al2SiO4(OH,F)という化学組成です。
トパーズという名の語源がギリシャ語やサンスクリッド語にあるそうですが、
意外にもそのくらい古くから認識されていたということになります。
現在はペリドットと呼ばれる宝石が、古い時代にトパーズと言われた、と
Mindat、RRUFFなどのサイトに書かれていましたが、信憑性のほどは判りません。
ペグマタイトや高温の石英脈の中、花崗岩や流紋岩の中にも産出するそうです。

宝石としては、オレンジ色のインペリアルトパーズや青のブルートパーズが有名ですが、
化学組成の最後の部分が、OHかFかによって色が異なるようです。
また、アクアマリンなどと同様、放射線を浴びせ色を濃く見せる事が多く、
ブルートパーズなどはほとんどがこのような処理をしていると聞いたことが有ります。

今回購入した上の写真のトパーズはほぼ白色です。
透明度も低く、それ故にこの大きさでも安価だったと思われますが、
磨いてみるとどうなるか判りません。当然、そのつもりで購入しました。
なんとかカットして、磨いた物をお見せしたいと思います。



写真2 オレンジ掛かった色の南部石。それ以外のピンクはたぶんバラ輝石。
    縦5㎝、横7㎝。


次に、おそらくマイナーな南部石を紹介します。
英語ではNambulite、日本人の博士に因んだ名のようです。
写真では見にくいですが、中央より少し上のオレンジ色の部分が南部石で、
飯田橋のショーにて1000円で購入しました。

南部石は三斜晶系という結晶系に属し、モース硬度は6~6.5、
化学組成は(Li,Na)Mn4Si5O14(OH)となっています。
LiよりNaが多いと、ソーダ南部石という別の鉱物になります。

日本で発見された鉱物で岩手県や福島県のマンガン鉱床で見られますが、
日本の他にはあまり報告が無く、アフリカやヨーロッパの一部で産出するようです。

残念ながらこの1つしか購入できなかったので、切って磨くのは
次の機会ということになりそうです。


  
写真3 雲母に一般的な六角形の結晶形を示すリチア雲母。縦5㎝、横6㎝、厚さ1㎝。

最後に紹介するのはリチア雲母です。
ここで書くために調べるまで勘違いしていましたが、正式な鉱物種ではないらしいです。
モース硬度は2.5~4、単斜晶系で化学組成はKLi2Al(Si4O10)(OH,F)2-K(LiAl)3(AlSi3O10)(OH,F)2、
前半組成を持つポリリシオ雲母と後半のトリリシオ雲母という鉱物種のグループ名です。
ペグマタイトや花崗岩、まれに熱水鉱床にも産出するようです。

目を回しそうな化学組成ですが、雲母族は皆このように複雑な組成を持ち、
かつ、OHやFを含むことが特徴として挙げられます。

上の写真は雲母に良く見られる六角板状のもので、
比較的綺麗な形をしていることから、観賞用として480円で買いました。
購入場所は新宿ショーです。最終日という事もあって、多少負けて頂きました。



写真4 紫色のリチア雲母。縦2㎝、横6㎝、高さ4㎝ほど。


写真4は写真3とは別のリチア雲母で、これも480円で購入しましたが板状ではなく直方体です。
雲母は千枚剥しと言われるほど層が剥がれやすく、自由に加工するには苦労します。
その点、写真4のリチア雲母は塊状で、少しアロンアルファやアラルダイトと言った樹脂で固めれば、
研磨に耐えられるだろうと思い、研磨用に購入しました。
いつになるか判りませんが、磨いたリチア雲母がどのようになるか、お見せしたいと思います。



次回はアルミを含むケイ酸塩を紹介します。



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プロフィール
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石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
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