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どんな石でも磨けば光る

綺麗な石も普通の石も磨いてみます

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戦利品紹介6

今日は酸化鉱物を紹介します。
酸化鉱物とは、金属元素と酸素が結合した鉱物で、
先日紹介したコランダムや、石英、磁鉄鉱などに代表されます。
その中でも少し変わった鉱物達をお見せします。



写真1 モロッコ産腎臓状針鉄鉱。縦3cm、横4cm、厚さ2cm。

写真1は針鉄鉱です。英語ではgoethite(ゲーサイト)。
化学組成はFeO(OH)で、磁鉄鉱などが酸化することで生成される二次鉱物です。1個470円。
酸化鉱物を紹介すると言っておいて、一番最初が水酸化鉱物なのはちょっとした訳が有ります。

この腎臓状針鉄鉱、業者によっては赤鉄鉱という名で売っているそうです。
(と、これを購入した業者の方から言われました)
赤鉄鉱は化学式Fe2O3、基本的には色も形も異なるのですが、
微小な結晶が層状に積もって出来るこのような形状において、
2つの鉱物は混同されやすいようです。
本来の針鉄鉱は、その名の通り、細い針状の形を取ります。

これを磨いてみるときっと面白い模様が浮かんでくると思うのですが、
1つしか購入できなかったので、当分の間は観賞用兼、結晶成長の教材用に使います。



写真2 アメリカアリゾナ産モリブデン鉛鉱。縦3cm、横5cm。

写真2はモリブデン鉛鉱、英語でwulfenite(ウルフェナイト)です。飯田橋ショーにて、1個1000円。
名前の通りモリブデンと鉛の鉱物で化学式はPbMoO4、正方晶系という結晶系に属し、

黄色から赤色の、四角板状の結晶が多いようです。硬度は2.5~3と低めですが、
鉛が入っているため、比重は重め(6.5~7)です。
鉛の鉱物はこのモリブデン鉛鉱やバナジン鉛鉱、緑鉛鉱など、
色とりどりで結晶の形が美しい物が多く、コレクターに人気があります。



写真3 アメリカ産ビクスビ石。一辺約7mm。

写真3はビクスビ石、英語でBixbyite(ビクスビアイト)と言います。
ビクスバイトと読むと、別の鉱物になるので注意して下さい。名前が似ているのは、
どちらもビクスビーという鉱物コレクターによって発見されたからのようです。
化学式はMn2O3
。赤鉄鉱の組成Fe2O3と似ています。

珍しい鉱物のようで、このサイズで2000円で売ってました。
ただ、これを購入した飯田橋ショーではコレクターの方が、
自分のコレクションの一部を売るという形式のためあまり値段に拘りが無く、
コレクターの方次第ですが相当まけてくれました。

日本では産出しない鉱物らしく、今回のミネラルショーでは新宿でも飯田橋でも
ビクスビ石はこの1つしかありませんでした。
このサイズの、しかも美しい結晶を磨くのは技術的にも心情的にも無理なので、
別のもっと大きく安価な結晶が手に入ったら、磨いてみたいと思います。



次回は含水鉱物を紹介したいと思います。
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プロフィール
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趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
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