戦利品紹介9
雑談
昔に比べると高性能のパソコンに慣れると、少し動作が遅くなったくらいで
非常に不愉快に感じてしまいます。何が言いたいかと言うと、ウィルス対策ソフト、
勝手に検索を始めないで下さい。手動でしますから。
今日は、もう成分で分類できなくなったので、緑色の鉱物ということで、紹介いたします。
宝石のエメラルドやペリドットを筆頭に、緑色の鉱物というのは古来より人気が高く、
高価な物から安価の物まで幅広く売られています。目に優しい、なんて理由ではないと思いますが、
緑色の鉱物は比較的少ないことから、希少価値があるということだと思います。
今日お見せする鉱物も、3つの内2つは人気があり、ミネラルショーに行かずとも
街の鉱物系アクセサリーショップに必ず売っています。
写真1 一辺1.5㎝ほどの孔雀石。
最初に紹介するのは孔雀石です。英語ではmalachite(マラカイト)と言います。
遥か古代から装飾用や顔料として使われる由緒正しい鉱物の1つです。
鉱物学的には炭酸塩鉱物に分類され、化学組成はCu2(CO3)(OH)2、
単斜晶系に属し、モース硬度は3.5~4です。
見ての通り濃い緑色をしており宝石にも使われますが、銅の錆である緑青と同じ成分です。
銅の鉱山や銅が多い地域に産出し、日本でも見られます。
写真の孔雀石は新宿ショーにて、500円で購入しました。
この大きさでこの値段が高いか安いか良く判りませんが、本職の方は、
このようなものをカットして磨いて宝石として売るのだと思います。
本職ではないアマチュアはどうカットしてどう磨いたら綺麗になるかなど考えず、
適当に磨いてみたいと思います。
写真2 1パック500円の蛍石。平均して、一辺1.5㎝ほどの蛍石が20個弱入っている。
次はお馴染み蛍石です。英語ではfluorite(フローライト)と言い、
モースの硬度計の4に位置します。化学組成はCaF2と単純で、フッ化カルシウムの結晶です。
時に東急ハンズや書店でも売っていることのある鉱物ですが、大抵正八面体の形をしています。
これは等軸晶系という結晶系に属している鉱物が取りやすい形の一つです。
ただし、天然で正八面体のまま出てくるわけではありません。
普通はサイコロのような立方体が一般的であり、劈開(結晶の割れ目)に沿って
割ると八面体になるようです。
蛍石にはもう一つ重要な特徴があります。名前の由来でもある蛍光です。
ここでの蛍光というのは紫外線を当てると発光するという現象です。
近年、理科教育の教材として、蛍石を含めた蛍光鉱物がキットになっていたり、
見た感じの美しさからディスプレイの1つとして用いられることが増えているようです。
蛍石の場合、おおむね紫色に発光します。
ただし、全ての蛍石が発光するわけではありません。不純物の種類と量によります。
美しい正八面体や立方体の形、幻想的な蛍光など観賞用として非常に優れた鉱物ですが、
熱水鉱床やペグマタイトに良く産出し、それほど希少でもないため、安く手に入れることが出来ます。
写真のように結晶の形が綺麗でなければ1パックで500円、1個あたりにすると数十円で買えてしまいます。
これは新宿ショーでお土産用に購入しましたが、わざわざミネラルショーに行かなくても手に入れられることでしょう。
たいてい結晶自体が美しい形をしていることや、モース硬度4と柔らかいことなどから、
あまり研磨には向かない鉱物ですが、いずれ別の蛍石で磨いた物をお見せしたいと思います。
写真3 長方形の板状に研磨されたヨハンセン輝石。縦2㎝、横4㎝、厚さ5mm。
本日最後の緑鉱物です。前2つと違って、馴染みが無いかと思います。
原石ではなくカット、研磨をされていますが、ヨハンセン輝石という鉱物です。
単斜輝石というのは単斜晶系の輝石という意味で、属する結晶系を表しています。
モース硬度は6~6.5で、化学組成はCaMnSi2O6です。
輝石族はXYSi2O6で定義されており、XにはNaやMg、Ca、Fe、Liなどが、
YにはMg、Fe、Al、Cr、Mnなどが入ります。また、一部Siの所がAlと変わることが有ります。
ヨハンセン輝石はCaとMnがXYに入り、スカルン鉱床、熱水鉱床などでCaやMnの鉱物と一緒に産出します。
この鉱物は飯田橋のショーにて500円で購入しましたが、
写真の通り既に加工されてますので、これ以上研磨することはありません。
では何故手に入れたかと言うと、簡単に言えば比較のためです。
普段よりX線やレーザー光を用いた鉱物の同定や分析を行ったりしているのですが、
それらの分析機器でこのヨハンセン輝石を測定し、今後の参考に致します。
いつも研磨研磨と言っていますが、たまには仕事にも使うのです。
次でようやくラストになります。
非常に不愉快に感じてしまいます。何が言いたいかと言うと、ウィルス対策ソフト、
勝手に検索を始めないで下さい。手動でしますから。
今日は、もう成分で分類できなくなったので、緑色の鉱物ということで、紹介いたします。
宝石のエメラルドやペリドットを筆頭に、緑色の鉱物というのは古来より人気が高く、
高価な物から安価の物まで幅広く売られています。目に優しい、なんて理由ではないと思いますが、
緑色の鉱物は比較的少ないことから、希少価値があるということだと思います。
今日お見せする鉱物も、3つの内2つは人気があり、ミネラルショーに行かずとも
街の鉱物系アクセサリーショップに必ず売っています。
写真1 一辺1.5㎝ほどの孔雀石。
最初に紹介するのは孔雀石です。英語ではmalachite(マラカイト)と言います。
遥か古代から装飾用や顔料として使われる由緒正しい鉱物の1つです。
鉱物学的には炭酸塩鉱物に分類され、化学組成はCu2(CO3)(OH)2、
単斜晶系に属し、モース硬度は3.5~4です。
見ての通り濃い緑色をしており宝石にも使われますが、銅の錆である緑青と同じ成分です。
銅の鉱山や銅が多い地域に産出し、日本でも見られます。
写真の孔雀石は新宿ショーにて、500円で購入しました。
この大きさでこの値段が高いか安いか良く判りませんが、本職の方は、
このようなものをカットして磨いて宝石として売るのだと思います。
本職ではないアマチュアはどうカットしてどう磨いたら綺麗になるかなど考えず、
適当に磨いてみたいと思います。
写真2 1パック500円の蛍石。平均して、一辺1.5㎝ほどの蛍石が20個弱入っている。
次はお馴染み蛍石です。英語ではfluorite(フローライト)と言い、
モースの硬度計の4に位置します。化学組成はCaF2と単純で、フッ化カルシウムの結晶です。
時に東急ハンズや書店でも売っていることのある鉱物ですが、大抵正八面体の形をしています。
これは等軸晶系という結晶系に属している鉱物が取りやすい形の一つです。
ただし、天然で正八面体のまま出てくるわけではありません。
普通はサイコロのような立方体が一般的であり、劈開(結晶の割れ目)に沿って
割ると八面体になるようです。
蛍石にはもう一つ重要な特徴があります。名前の由来でもある蛍光です。
ここでの蛍光というのは紫外線を当てると発光するという現象です。
近年、理科教育の教材として、蛍石を含めた蛍光鉱物がキットになっていたり、
見た感じの美しさからディスプレイの1つとして用いられることが増えているようです。
蛍石の場合、おおむね紫色に発光します。
ただし、全ての蛍石が発光するわけではありません。不純物の種類と量によります。
美しい正八面体や立方体の形、幻想的な蛍光など観賞用として非常に優れた鉱物ですが、
熱水鉱床やペグマタイトに良く産出し、それほど希少でもないため、安く手に入れることが出来ます。
写真のように結晶の形が綺麗でなければ1パックで500円、1個あたりにすると数十円で買えてしまいます。
これは新宿ショーでお土産用に購入しましたが、わざわざミネラルショーに行かなくても手に入れられることでしょう。
たいてい結晶自体が美しい形をしていることや、モース硬度4と柔らかいことなどから、
あまり研磨には向かない鉱物ですが、いずれ別の蛍石で磨いた物をお見せしたいと思います。
写真3 長方形の板状に研磨されたヨハンセン輝石。縦2㎝、横4㎝、厚さ5mm。
本日最後の緑鉱物です。前2つと違って、馴染みが無いかと思います。
原石ではなくカット、研磨をされていますが、ヨハンセン輝石という鉱物です。
英語ではJohannsenite、ヨハンセナイトと言います。
アメリカの岩石学者であるアルバート・ヨハンセンに因んだ名のようです。
名前の通り輝石族の1種で、さらに単斜輝石のサブグループに属しています。アメリカの岩石学者であるアルバート・ヨハンセンに因んだ名のようです。
単斜輝石というのは単斜晶系の輝石という意味で、属する結晶系を表しています。
モース硬度は6~6.5で、化学組成はCaMnSi2O6です。
輝石族はXYSi2O6で定義されており、XにはNaやMg、Ca、Fe、Liなどが、
YにはMg、Fe、Al、Cr、Mnなどが入ります。また、一部Siの所がAlと変わることが有ります。
ヨハンセン輝石はCaとMnがXYに入り、スカルン鉱床、熱水鉱床などでCaやMnの鉱物と一緒に産出します。
この鉱物は飯田橋のショーにて500円で購入しましたが、
写真の通り既に加工されてますので、これ以上研磨することはありません。
では何故手に入れたかと言うと、簡単に言えば比較のためです。
普段よりX線やレーザー光を用いた鉱物の同定や分析を行ったりしているのですが、
それらの分析機器でこのヨハンセン輝石を測定し、今後の参考に致します。
いつも研磨研磨と言っていますが、たまには仕事にも使うのです。
次でようやくラストになります。
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プロフィール
HN:
heliodor
性別:
男性
趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
P R