戦利品紹介3
雑談
今日は硫化鉱物の紹介をします。
硫化鉱物とはその名の通り、主に金属元素と硫黄が結び付いて結晶となった鉱物です。
ほとんどの硫化鉱物は透明でもキラキラ光っているわけでもないので、
宝石やアクセサリーとしては使われません。しかし、独特の金属光沢と、なにより
結晶の形が美しい物が多く、鉱物ファンならばカットされた宝石よりも
自然の形のままに美しい硫化鉱物を好むことでしょう。
そして、結晶形が美しい代表的な鉱物が以下のものです。
写真1 五角十二面体の黄鉄鉱。サイズは1㎝弱。
写真1は黄鉄鉱です。黄鉄鉱といえばサイコロ状が有名ですが、
このような形や、八面体など、いろいろな形を取ります。
結晶面や辺、頂点の発達具合とその組み合わせで、実に数十種類にもなることが判っています。
この五角十二面体の黄鉄鉱はお土産用に買い、1個500円でした。
写真2 硫砒鉄鉱。サイズは1つ5mm程度。
次は、硫砒鉄鉱の紹介です。なかなか聞きなれない鉱物だと思いますが、
漢字の通り、硫黄とヒ素と鉄で構成された鉱物で、FeAsSが化学組成になります。
余談ですが鉱物の名前には、この硫砒鉄鉱のように構成元素をそのまま漢字に
しているものが結構あります。一目で化学成分が判るので、意外と便利です。
硫砒鉄鉱の特徴は何と言っても菱形の結晶形にあり、他に同様な鉱物が
少ないことから、鑑定にも非常に役立ちます。
写真2は風化して綺麗な形のものは少ないですが、それでも菱形が判ります。
くすんだ色をしていますが、本来は黄鉄鉱より白っぽい黄色をしています。
これらの硫砒鉄鉱は、1まとめで500円でした。観賞用兼教材用です。
写真3 方砒コバルト鉱。サイズは縦5㎝、横6~7㎝。
3つ目は方砒コバルト鉱、英語ではskutterudite(スクッテルド鉱)。
上述したように、漢字を見れば大体組成が判ります。
この場合は砒素とコバルトの鉱物でCoAs3。
方という漢字は、これもまた便利なことに、結晶系を表しています。
つまり、等軸晶系、黄鉄鉱と同じサイコロや五角十二面体を形作る結晶系です。
コバルトの鉱石として採掘されることもありますが、主要な鉱石ではないようです。
珍しいと思ったので購入しましたが、比較的大きな標本ということもあるのか、2000円しました。
もう少し小さなサイズで複数売っていれば研磨用も購入したかったのですが、
残念ながら1点ものなので観賞用、またはどう使えるか判りませんが教材用です。
写真4 鶏冠石。サイズは約1㎝。
最後は、金属光沢のある鉱物ばかりではなく派手な色の硫化物もある、ということで
鶏冠石です。英語ではrealger(リアルガー)。化学組成は単純でAsSと、
砒素と硫黄が1対1で結び付いた鉱物です。見ての通り砒素の鉱物にも関わらず、
神農本草経という漢方の聖典とも言うべき世界最古の薬学書にも掲載される、
漢方薬として用いられています。効能は虫下しや解毒だそうです。
水銀鉱物である辰砂もそうですが、毒として有名な元素を含む鉱物でも
無毒であったり、逆に薬として使われているものは、結構多いです。
話が逸れました。ともかく鶏冠石は砒素と硫黄の鉱物であり、
日本でも金鉱床の近くで比較的多く産出します。
写真4はそれほど大きくないとはいえ、値段は驚きの100円と、非常にお買い得でした。
鶏冠石は不透明な事の多い硫化鉱物の中では珍しく半透明で色も綺麗な事から、
宝石のようにカットされ磨かれる物もあるのかと思っていましたが、
実際はほとんど研磨されていないようです。硬度が2程度しかなく、
柔らかすぎるのかもしれません。いつも同じことを言っていますが、
もう少し大きな結晶を手に入れて磨いてみたいです。
次回はアクアマリンを紹介したいと思います。
硫化鉱物とはその名の通り、主に金属元素と硫黄が結び付いて結晶となった鉱物です。
ほとんどの硫化鉱物は透明でもキラキラ光っているわけでもないので、
宝石やアクセサリーとしては使われません。しかし、独特の金属光沢と、なにより
結晶の形が美しい物が多く、鉱物ファンならばカットされた宝石よりも
自然の形のままに美しい硫化鉱物を好むことでしょう。
そして、結晶形が美しい代表的な鉱物が以下のものです。
写真1 五角十二面体の黄鉄鉱。サイズは1㎝弱。
写真1は黄鉄鉱です。黄鉄鉱といえばサイコロ状が有名ですが、
このような形や、八面体など、いろいろな形を取ります。
結晶面や辺、頂点の発達具合とその組み合わせで、実に数十種類にもなることが判っています。
この五角十二面体の黄鉄鉱はお土産用に買い、1個500円でした。
写真2 硫砒鉄鉱。サイズは1つ5mm程度。
次は、硫砒鉄鉱の紹介です。なかなか聞きなれない鉱物だと思いますが、
漢字の通り、硫黄とヒ素と鉄で構成された鉱物で、FeAsSが化学組成になります。
余談ですが鉱物の名前には、この硫砒鉄鉱のように構成元素をそのまま漢字に
しているものが結構あります。一目で化学成分が判るので、意外と便利です。
硫砒鉄鉱の特徴は何と言っても菱形の結晶形にあり、他に同様な鉱物が
少ないことから、鑑定にも非常に役立ちます。
写真2は風化して綺麗な形のものは少ないですが、それでも菱形が判ります。
くすんだ色をしていますが、本来は黄鉄鉱より白っぽい黄色をしています。
これらの硫砒鉄鉱は、1まとめで500円でした。観賞用兼教材用です。
写真3 方砒コバルト鉱。サイズは縦5㎝、横6~7㎝。
3つ目は方砒コバルト鉱、英語ではskutterudite(スクッテルド鉱)。
上述したように、漢字を見れば大体組成が判ります。
この場合は砒素とコバルトの鉱物でCoAs3。
方という漢字は、これもまた便利なことに、結晶系を表しています。
つまり、等軸晶系、黄鉄鉱と同じサイコロや五角十二面体を形作る結晶系です。
コバルトの鉱石として採掘されることもありますが、主要な鉱石ではないようです。
珍しいと思ったので購入しましたが、比較的大きな標本ということもあるのか、2000円しました。
もう少し小さなサイズで複数売っていれば研磨用も購入したかったのですが、
残念ながら1点ものなので観賞用、またはどう使えるか判りませんが教材用です。
写真4 鶏冠石。サイズは約1㎝。
最後は、金属光沢のある鉱物ばかりではなく派手な色の硫化物もある、ということで
鶏冠石です。英語ではrealger(リアルガー)。化学組成は単純でAsSと、
砒素と硫黄が1対1で結び付いた鉱物です。見ての通り砒素の鉱物にも関わらず、
神農本草経という漢方の聖典とも言うべき世界最古の薬学書にも掲載される、
漢方薬として用いられています。効能は虫下しや解毒だそうです。
水銀鉱物である辰砂もそうですが、毒として有名な元素を含む鉱物でも
無毒であったり、逆に薬として使われているものは、結構多いです。
話が逸れました。ともかく鶏冠石は砒素と硫黄の鉱物であり、
日本でも金鉱床の近くで比較的多く産出します。
写真4はそれほど大きくないとはいえ、値段は驚きの100円と、非常にお買い得でした。
鶏冠石は不透明な事の多い硫化鉱物の中では珍しく半透明で色も綺麗な事から、
宝石のようにカットされ磨かれる物もあるのかと思っていましたが、
実際はほとんど研磨されていないようです。硬度が2程度しかなく、
柔らかすぎるのかもしれません。いつも同じことを言っていますが、
もう少し大きな結晶を手に入れて磨いてみたいです。
次回はアクアマリンを紹介したいと思います。
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プロフィール
HN:
heliodor
性別:
男性
趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
P R