留守
雑談
本州では激しい雨が降っているとか。札幌はここ2週間くらいずっと快晴です。
雨も嫌いではないのですが、2週間前のさらに2週間前はずっと雨だったので、
梅雨が無い北海道に感謝したい気分です。
さて、また1週間ほど、梅雨のある本州に行くため留守にします。
ネットはちょっと厳しそうなので、更新できるのは多分来週になります。
今度はミネラルショーではなく、お仕事です。
機会があれば得るものは得ますけどね。
それではまた来週。
雨も嫌いではないのですが、2週間前のさらに2週間前はずっと雨だったので、
梅雨が無い北海道に感謝したい気分です。
さて、また1週間ほど、梅雨のある本州に行くため留守にします。
ネットはちょっと厳しそうなので、更新できるのは多分来週になります。
今度はミネラルショーではなく、お仕事です。
機会があれば得るものは得ますけどね。
それではまた来週。
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戦利品紹介6
雑談
今日は酸化鉱物を紹介します。
酸化鉱物とは、金属元素と酸素が結合した鉱物で、
先日紹介したコランダムや、石英、磁鉄鉱などに代表されます。
その中でも少し変わった鉱物達をお見せします。
写真1 モロッコ産腎臓状針鉄鉱。縦3cm、横4cm、厚さ2cm。
写真1は針鉄鉱です。英語ではgoethite(ゲーサイト)。
化学組成はFeO(OH)で、磁鉄鉱などが酸化することで生成される二次鉱物です。1個470円。
酸化鉱物を紹介すると言っておいて、一番最初が水酸化鉱物なのはちょっとした訳が有ります。
この腎臓状針鉄鉱、業者によっては赤鉄鉱という名で売っているそうです。
(と、これを購入した業者の方から言われました)
赤鉄鉱は化学式Fe2O3、基本的には色も形も異なるのですが、
微小な結晶が層状に積もって出来るこのような形状において、
2つの鉱物は混同されやすいようです。
本来の針鉄鉱は、その名の通り、細い針状の形を取ります。
これを磨いてみるときっと面白い模様が浮かんでくると思うのですが、
1つしか購入できなかったので、当分の間は観賞用兼、結晶成長の教材用に使います。
写真2 アメリカアリゾナ産モリブデン鉛鉱。縦3cm、横5cm。
写真2はモリブデン鉛鉱、英語でwulfenite(ウルフェナイト)です。飯田橋ショーにて、1個1000円。
名前の通りモリブデンと鉛の鉱物で化学式はPbMoO4、正方晶系という結晶系に属し、
黄色から赤色の、四角板状の結晶が多いようです。硬度は2.5~3と低めですが、
鉛が入っているため、比重は重め(6.5~7)です。
鉛の鉱物はこのモリブデン鉛鉱やバナジン鉛鉱、緑鉛鉱など、
色とりどりで結晶の形が美しい物が多く、コレクターに人気があります。
写真3 アメリカ産ビクスビ石。一辺約7mm。
写真3はビクスビ石、英語でBixbyite(ビクスビアイト)と言います。
ビクスバイトと読むと、別の鉱物になるので注意して下さい。名前が似ているのは、
どちらもビクスビーという鉱物コレクターによって発見されたからのようです。
化学式はMn2O3。赤鉄鉱の組成Fe2O3と似ています。
珍しい鉱物のようで、このサイズで2000円で売ってました。
ただ、これを購入した飯田橋ショーではコレクターの方が、
自分のコレクションの一部を売るという形式のためあまり値段に拘りが無く、
コレクターの方次第ですが相当まけてくれました。
日本では産出しない鉱物らしく、今回のミネラルショーでは新宿でも飯田橋でも
ビクスビ石はこの1つしかありませんでした。
このサイズの、しかも美しい結晶を磨くのは技術的にも心情的にも無理なので、
別のもっと大きく安価な結晶が手に入ったら、磨いてみたいと思います。
次回は含水鉱物を紹介したいと思います。
酸化鉱物とは、金属元素と酸素が結合した鉱物で、
先日紹介したコランダムや、石英、磁鉄鉱などに代表されます。
その中でも少し変わった鉱物達をお見せします。
写真1 モロッコ産腎臓状針鉄鉱。縦3cm、横4cm、厚さ2cm。
写真1は針鉄鉱です。英語ではgoethite(ゲーサイト)。
化学組成はFeO(OH)で、磁鉄鉱などが酸化することで生成される二次鉱物です。1個470円。
酸化鉱物を紹介すると言っておいて、一番最初が水酸化鉱物なのはちょっとした訳が有ります。
この腎臓状針鉄鉱、業者によっては赤鉄鉱という名で売っているそうです。
(と、これを購入した業者の方から言われました)
赤鉄鉱は化学式Fe2O3、基本的には色も形も異なるのですが、
微小な結晶が層状に積もって出来るこのような形状において、
2つの鉱物は混同されやすいようです。
本来の針鉄鉱は、その名の通り、細い針状の形を取ります。
これを磨いてみるときっと面白い模様が浮かんでくると思うのですが、
1つしか購入できなかったので、当分の間は観賞用兼、結晶成長の教材用に使います。
写真2 アメリカアリゾナ産モリブデン鉛鉱。縦3cm、横5cm。
写真2はモリブデン鉛鉱、英語でwulfenite(ウルフェナイト)です。飯田橋ショーにて、1個1000円。
名前の通りモリブデンと鉛の鉱物で化学式はPbMoO4、正方晶系という結晶系に属し、
黄色から赤色の、四角板状の結晶が多いようです。硬度は2.5~3と低めですが、
鉛が入っているため、比重は重め(6.5~7)です。
鉛の鉱物はこのモリブデン鉛鉱やバナジン鉛鉱、緑鉛鉱など、
色とりどりで結晶の形が美しい物が多く、コレクターに人気があります。
写真3 アメリカ産ビクスビ石。一辺約7mm。
写真3はビクスビ石、英語でBixbyite(ビクスビアイト)と言います。
ビクスバイトと読むと、別の鉱物になるので注意して下さい。名前が似ているのは、
どちらもビクスビーという鉱物コレクターによって発見されたからのようです。
化学式はMn2O3。赤鉄鉱の組成Fe2O3と似ています。
珍しい鉱物のようで、このサイズで2000円で売ってました。
ただ、これを購入した飯田橋ショーではコレクターの方が、
自分のコレクションの一部を売るという形式のためあまり値段に拘りが無く、
コレクターの方次第ですが相当まけてくれました。
日本では産出しない鉱物らしく、今回のミネラルショーでは新宿でも飯田橋でも
ビクスビ石はこの1つしかありませんでした。
このサイズの、しかも美しい結晶を磨くのは技術的にも心情的にも無理なので、
別のもっと大きく安価な結晶が手に入ったら、磨いてみたいと思います。
次回は含水鉱物を紹介したいと思います。
戦利品紹介5
雑談
今日はルビーを紹介したいと思います。
言わずと知れた有名な宝石ですが、コランダムというのが鉱物名になります。
日本語で鋼玉。硬度9とダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、工業的にも重要な資源です。
化学式はAl2O3でアルミニウムの酸化物です。本来は無色透明の結晶ですが、
アルミニウムのうちの数%、クロムに置き換わると色が赤くなり、ルビーと呼ばれます。
同様に数%鉄に置き換わると色が青くなり、いわゆるサファイアと呼ばれます。
いわゆると言ったのは、ルビーの赤以外の色は全てサファイアになるからです。
ややこしいですが、ピンク色でもサファイアです。
上記のように分類されているため、当然ルビーは希少価値が高く、
サファイアとは一線を画する値段で売られています。
ミャンマー産、とくにモゴック鉱山産のルビーはピジョンブラッドと呼ばれ、
最高級の宝石として扱われています。
とはいえ、値段が高いのは宝石です。質が高くなければルビー原石として、
ミネラルショーなどに頻繁に出展されます。
今日お見せするルビーは、そういうルビーです。
写真1 ルビーの単結晶。直径3~4㎝、厚さ1㎝。
まずは正統派な六角板状のルビーです。新宿ショーにて、約800円。
コランダムは三方晶系という結晶系に属し、六角柱や六角錐を作りやすい
結晶のため、このような形になります。
非常に綺麗な六角形なので、観賞用に購入しました。
写真2 ルビー原石。平均して1つ1㎝程度の大きさを持つ。
写真2もルビーの原石・・・なのですが、ひと山いくらの質の落ちるものです。
実際、飯田橋ショーの方で、1箱500円とお安くなっていました。
かろうじて六角柱になっているものが幾つかありますが、
色も形も大きさも、それほど良くはありません。
人へのプレゼント用、研磨用に購入しました。
研磨用とは言いましたが、実は以前同じものを研磨したことが有ります。
それはいずれお見せするとして、ルビーという宝石からイメージ出来るような
綺麗な物ではなく、ハッキリ言ってしまえば微妙な仕上がりでした。
どんな石でも・・・などと言っておいて何ですが。
ルビーはもっと綺麗になると期待していたわけですが、
逆に言えば、それだけルビーが凄い宝石だと言う事でしょう。
写真3 人工ルビー。幅1㎝、長さ5㎝。
写真3は少し変わり種で人工ルビーです。普通なかなか手に入らないと思います。
飯田橋ショーの方で、その希少さに見合う、3000円という値段でした。
人工ルビーやサファイアの作り方はベルヌーイ法やフラックス法など、幾つかあります。
写真3のルビーをどのように生成したのかは聞きませんでしたが、
人工宝石などを作っている会社から、伝手を頼って入手したと伺いました。
貴重で高いので、次に同じものを入手するまで、研磨するのはお預けです。
人工ルビーは蛍光するものもあるので、観賞用兼教材用に用いようかと思います。
今日はルビーの紹介をしました。色や形、希少さから広い範囲に人気が有り、
このようなミネラルショーでは必ず店頭に並べられる鉱物です。
中には掘り出し物や、少々質が低いけど安価な物もあるので、
近くでミネラルショーがあるという時には、是非見に行って手に入れて頂きたいと思います。
次回は酸化鉱物を紹介致します。
言わずと知れた有名な宝石ですが、コランダムというのが鉱物名になります。
日本語で鋼玉。硬度9とダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、工業的にも重要な資源です。
化学式はAl2O3でアルミニウムの酸化物です。本来は無色透明の結晶ですが、
アルミニウムのうちの数%、クロムに置き換わると色が赤くなり、ルビーと呼ばれます。
同様に数%鉄に置き換わると色が青くなり、いわゆるサファイアと呼ばれます。
いわゆると言ったのは、ルビーの赤以外の色は全てサファイアになるからです。
ややこしいですが、ピンク色でもサファイアです。
上記のように分類されているため、当然ルビーは希少価値が高く、
サファイアとは一線を画する値段で売られています。
ミャンマー産、とくにモゴック鉱山産のルビーはピジョンブラッドと呼ばれ、
最高級の宝石として扱われています。
とはいえ、値段が高いのは宝石です。質が高くなければルビー原石として、
ミネラルショーなどに頻繁に出展されます。
今日お見せするルビーは、そういうルビーです。
写真1 ルビーの単結晶。直径3~4㎝、厚さ1㎝。
まずは正統派な六角板状のルビーです。新宿ショーにて、約800円。
コランダムは三方晶系という結晶系に属し、六角柱や六角錐を作りやすい
結晶のため、このような形になります。
非常に綺麗な六角形なので、観賞用に購入しました。
写真2 ルビー原石。平均して1つ1㎝程度の大きさを持つ。
写真2もルビーの原石・・・なのですが、ひと山いくらの質の落ちるものです。
実際、飯田橋ショーの方で、1箱500円とお安くなっていました。
かろうじて六角柱になっているものが幾つかありますが、
色も形も大きさも、それほど良くはありません。
人へのプレゼント用、研磨用に購入しました。
研磨用とは言いましたが、実は以前同じものを研磨したことが有ります。
それはいずれお見せするとして、ルビーという宝石からイメージ出来るような
綺麗な物ではなく、ハッキリ言ってしまえば微妙な仕上がりでした。
どんな石でも・・・などと言っておいて何ですが。
ルビーはもっと綺麗になると期待していたわけですが、
逆に言えば、それだけルビーが凄い宝石だと言う事でしょう。
写真3 人工ルビー。幅1㎝、長さ5㎝。
写真3は少し変わり種で人工ルビーです。普通なかなか手に入らないと思います。
飯田橋ショーの方で、その希少さに見合う、3000円という値段でした。
人工ルビーやサファイアの作り方はベルヌーイ法やフラックス法など、幾つかあります。
写真3のルビーをどのように生成したのかは聞きませんでしたが、
人工宝石などを作っている会社から、伝手を頼って入手したと伺いました。
貴重で高いので、次に同じものを入手するまで、研磨するのはお預けです。
人工ルビーは蛍光するものもあるので、観賞用兼教材用に用いようかと思います。
今日はルビーの紹介をしました。色や形、希少さから広い範囲に人気が有り、
このようなミネラルショーでは必ず店頭に並べられる鉱物です。
中には掘り出し物や、少々質が低いけど安価な物もあるので、
近くでミネラルショーがあるという時には、是非見に行って手に入れて頂きたいと思います。
次回は酸化鉱物を紹介致します。
戦利品紹介4
雑談
本日はつい2週間前にも紹介したような気がするアクアマリンです。
以前書いたように緑柱石という鉱物で、六角柱の美しい結晶です。
緑柱石の仲間は個人的に好きなので、今後も頻繁に出てくるかもしれません。
アクアマリンは他の緑柱石に比べると産出量が多く、簡単に、安価に手に入ります。
今回のミネラルショーでもアクアマリンが最も多く見られ、次にエメラルド、
その次にヘリオドール、モルガナイト、ゴッシェナイトといった順に少なくなります。
レッドベリルは非常に貴重なので、滅多に見ません。
写真1 縦3㎝、横5㎝ほどのアクアマリン。油を塗って色を濃く見せている。
上の写真は同じものの表裏です。六角形が判るような方向で写真は撮りませんでしたが、
なんとなく六角柱のような形が判るかと思います。
色が濃く見えるのは、油のようなものを塗ってあるからで、
本当はもう少し薄い色なのだと思います。1個1500円でした。
アクアマリンに限らずいろいろな宝石で色を濃くするため、
紫外線や中性子線などの放射線をあびせたり、加熱処理をすることが良くあります。
アクアマリンは特にそのような処理をすることが多い鉱物ですが、
展示会などではさらに、油を塗ったり水に入れたりして色を良く見せる事は普通です。
適度に大きく適度に六角形が判り、そこそこ安価でしたので、
機会があれば輪切りにし、プレート状にカットした上で磨いてみたいと思います。
写真2 縦3㎝、横6~7㎝ほどのアクアマリン。
写真2も、写真1と同じ所で買いました。同じように油を塗ってありますが、
若干色は薄いです。しかし二回りほど大きいので、3000円しました。
アクアマリンは世界各地のペグマタイトと呼ばれる鉱床で産出します。
ブラジル産が品質が高く有名でしたが、最近はパキスタンやアフガニスタン産が
多いようです。今回購入したアクアマリンも、おそらくそうでしょう。
写真3 扁平なアクアマリン。縦4㎝、横5㎝、厚さ1.5~2㎝。
最後のアクアマリンは柱状ではなく、平板状です。
形の崩れた六角形が2つくっ付いたように見えます。
見ての通りあまり綺麗に見えないので、最初から研磨用として購入ました。
1500円と、大きさの割に少し高めかもしれません。しかし、表面が比較的平らで、
カットせずにそのまま磨ける点を考慮して購入しました。
上の2つはカットしないと磨きにくいので機会待ちですが、
下のアクアマリンは早速磨いてみようと思っています。
磨いてどのようになるのか、非常に楽しみです。
次回はルビーを紹介したいと思います。
以前書いたように緑柱石という鉱物で、六角柱の美しい結晶です。
緑柱石の仲間は個人的に好きなので、今後も頻繁に出てくるかもしれません。
アクアマリンは他の緑柱石に比べると産出量が多く、簡単に、安価に手に入ります。
今回のミネラルショーでもアクアマリンが最も多く見られ、次にエメラルド、
その次にヘリオドール、モルガナイト、ゴッシェナイトといった順に少なくなります。
レッドベリルは非常に貴重なので、滅多に見ません。
写真1 縦3㎝、横5㎝ほどのアクアマリン。油を塗って色を濃く見せている。
上の写真は同じものの表裏です。六角形が判るような方向で写真は撮りませんでしたが、
なんとなく六角柱のような形が判るかと思います。
色が濃く見えるのは、油のようなものを塗ってあるからで、
本当はもう少し薄い色なのだと思います。1個1500円でした。
アクアマリンに限らずいろいろな宝石で色を濃くするため、
紫外線や中性子線などの放射線をあびせたり、加熱処理をすることが良くあります。
アクアマリンは特にそのような処理をすることが多い鉱物ですが、
展示会などではさらに、油を塗ったり水に入れたりして色を良く見せる事は普通です。
適度に大きく適度に六角形が判り、そこそこ安価でしたので、
機会があれば輪切りにし、プレート状にカットした上で磨いてみたいと思います。
写真2 縦3㎝、横6~7㎝ほどのアクアマリン。
写真2も、写真1と同じ所で買いました。同じように油を塗ってありますが、
若干色は薄いです。しかし二回りほど大きいので、3000円しました。
アクアマリンは世界各地のペグマタイトと呼ばれる鉱床で産出します。
ブラジル産が品質が高く有名でしたが、最近はパキスタンやアフガニスタン産が
多いようです。今回購入したアクアマリンも、おそらくそうでしょう。
写真3 扁平なアクアマリン。縦4㎝、横5㎝、厚さ1.5~2㎝。
最後のアクアマリンは柱状ではなく、平板状です。
形の崩れた六角形が2つくっ付いたように見えます。
見ての通りあまり綺麗に見えないので、最初から研磨用として購入ました。
1500円と、大きさの割に少し高めかもしれません。しかし、表面が比較的平らで、
カットせずにそのまま磨ける点を考慮して購入しました。
上の2つはカットしないと磨きにくいので機会待ちですが、
下のアクアマリンは早速磨いてみようと思っています。
磨いてどのようになるのか、非常に楽しみです。
次回はルビーを紹介したいと思います。
戦利品紹介3
雑談
今日は硫化鉱物の紹介をします。
硫化鉱物とはその名の通り、主に金属元素と硫黄が結び付いて結晶となった鉱物です。
ほとんどの硫化鉱物は透明でもキラキラ光っているわけでもないので、
宝石やアクセサリーとしては使われません。しかし、独特の金属光沢と、なにより
結晶の形が美しい物が多く、鉱物ファンならばカットされた宝石よりも
自然の形のままに美しい硫化鉱物を好むことでしょう。
そして、結晶形が美しい代表的な鉱物が以下のものです。
写真1 五角十二面体の黄鉄鉱。サイズは1㎝弱。
写真1は黄鉄鉱です。黄鉄鉱といえばサイコロ状が有名ですが、
このような形や、八面体など、いろいろな形を取ります。
結晶面や辺、頂点の発達具合とその組み合わせで、実に数十種類にもなることが判っています。
この五角十二面体の黄鉄鉱はお土産用に買い、1個500円でした。
写真2 硫砒鉄鉱。サイズは1つ5mm程度。
次は、硫砒鉄鉱の紹介です。なかなか聞きなれない鉱物だと思いますが、
漢字の通り、硫黄とヒ素と鉄で構成された鉱物で、FeAsSが化学組成になります。
余談ですが鉱物の名前には、この硫砒鉄鉱のように構成元素をそのまま漢字に
しているものが結構あります。一目で化学成分が判るので、意外と便利です。
硫砒鉄鉱の特徴は何と言っても菱形の結晶形にあり、他に同様な鉱物が
少ないことから、鑑定にも非常に役立ちます。
写真2は風化して綺麗な形のものは少ないですが、それでも菱形が判ります。
くすんだ色をしていますが、本来は黄鉄鉱より白っぽい黄色をしています。
これらの硫砒鉄鉱は、1まとめで500円でした。観賞用兼教材用です。
写真3 方砒コバルト鉱。サイズは縦5㎝、横6~7㎝。
3つ目は方砒コバルト鉱、英語ではskutterudite(スクッテルド鉱)。
上述したように、漢字を見れば大体組成が判ります。
この場合は砒素とコバルトの鉱物でCoAs3。
方という漢字は、これもまた便利なことに、結晶系を表しています。
つまり、等軸晶系、黄鉄鉱と同じサイコロや五角十二面体を形作る結晶系です。
コバルトの鉱石として採掘されることもありますが、主要な鉱石ではないようです。
珍しいと思ったので購入しましたが、比較的大きな標本ということもあるのか、2000円しました。
もう少し小さなサイズで複数売っていれば研磨用も購入したかったのですが、
残念ながら1点ものなので観賞用、またはどう使えるか判りませんが教材用です。
写真4 鶏冠石。サイズは約1㎝。
最後は、金属光沢のある鉱物ばかりではなく派手な色の硫化物もある、ということで
鶏冠石です。英語ではrealger(リアルガー)。化学組成は単純でAsSと、
砒素と硫黄が1対1で結び付いた鉱物です。見ての通り砒素の鉱物にも関わらず、
神農本草経という漢方の聖典とも言うべき世界最古の薬学書にも掲載される、
漢方薬として用いられています。効能は虫下しや解毒だそうです。
水銀鉱物である辰砂もそうですが、毒として有名な元素を含む鉱物でも
無毒であったり、逆に薬として使われているものは、結構多いです。
話が逸れました。ともかく鶏冠石は砒素と硫黄の鉱物であり、
日本でも金鉱床の近くで比較的多く産出します。
写真4はそれほど大きくないとはいえ、値段は驚きの100円と、非常にお買い得でした。
鶏冠石は不透明な事の多い硫化鉱物の中では珍しく半透明で色も綺麗な事から、
宝石のようにカットされ磨かれる物もあるのかと思っていましたが、
実際はほとんど研磨されていないようです。硬度が2程度しかなく、
柔らかすぎるのかもしれません。いつも同じことを言っていますが、
もう少し大きな結晶を手に入れて磨いてみたいです。
次回はアクアマリンを紹介したいと思います。
硫化鉱物とはその名の通り、主に金属元素と硫黄が結び付いて結晶となった鉱物です。
ほとんどの硫化鉱物は透明でもキラキラ光っているわけでもないので、
宝石やアクセサリーとしては使われません。しかし、独特の金属光沢と、なにより
結晶の形が美しい物が多く、鉱物ファンならばカットされた宝石よりも
自然の形のままに美しい硫化鉱物を好むことでしょう。
そして、結晶形が美しい代表的な鉱物が以下のものです。
写真1 五角十二面体の黄鉄鉱。サイズは1㎝弱。
写真1は黄鉄鉱です。黄鉄鉱といえばサイコロ状が有名ですが、
このような形や、八面体など、いろいろな形を取ります。
結晶面や辺、頂点の発達具合とその組み合わせで、実に数十種類にもなることが判っています。
この五角十二面体の黄鉄鉱はお土産用に買い、1個500円でした。
写真2 硫砒鉄鉱。サイズは1つ5mm程度。
次は、硫砒鉄鉱の紹介です。なかなか聞きなれない鉱物だと思いますが、
漢字の通り、硫黄とヒ素と鉄で構成された鉱物で、FeAsSが化学組成になります。
余談ですが鉱物の名前には、この硫砒鉄鉱のように構成元素をそのまま漢字に
しているものが結構あります。一目で化学成分が判るので、意外と便利です。
硫砒鉄鉱の特徴は何と言っても菱形の結晶形にあり、他に同様な鉱物が
少ないことから、鑑定にも非常に役立ちます。
写真2は風化して綺麗な形のものは少ないですが、それでも菱形が判ります。
くすんだ色をしていますが、本来は黄鉄鉱より白っぽい黄色をしています。
これらの硫砒鉄鉱は、1まとめで500円でした。観賞用兼教材用です。
写真3 方砒コバルト鉱。サイズは縦5㎝、横6~7㎝。
3つ目は方砒コバルト鉱、英語ではskutterudite(スクッテルド鉱)。
上述したように、漢字を見れば大体組成が判ります。
この場合は砒素とコバルトの鉱物でCoAs3。
方という漢字は、これもまた便利なことに、結晶系を表しています。
つまり、等軸晶系、黄鉄鉱と同じサイコロや五角十二面体を形作る結晶系です。
コバルトの鉱石として採掘されることもありますが、主要な鉱石ではないようです。
珍しいと思ったので購入しましたが、比較的大きな標本ということもあるのか、2000円しました。
もう少し小さなサイズで複数売っていれば研磨用も購入したかったのですが、
残念ながら1点ものなので観賞用、またはどう使えるか判りませんが教材用です。
写真4 鶏冠石。サイズは約1㎝。
最後は、金属光沢のある鉱物ばかりではなく派手な色の硫化物もある、ということで
鶏冠石です。英語ではrealger(リアルガー)。化学組成は単純でAsSと、
砒素と硫黄が1対1で結び付いた鉱物です。見ての通り砒素の鉱物にも関わらず、
神農本草経という漢方の聖典とも言うべき世界最古の薬学書にも掲載される、
漢方薬として用いられています。効能は虫下しや解毒だそうです。
水銀鉱物である辰砂もそうですが、毒として有名な元素を含む鉱物でも
無毒であったり、逆に薬として使われているものは、結構多いです。
話が逸れました。ともかく鶏冠石は砒素と硫黄の鉱物であり、
日本でも金鉱床の近くで比較的多く産出します。
写真4はそれほど大きくないとはいえ、値段は驚きの100円と、非常にお買い得でした。
鶏冠石は不透明な事の多い硫化鉱物の中では珍しく半透明で色も綺麗な事から、
宝石のようにカットされ磨かれる物もあるのかと思っていましたが、
実際はほとんど研磨されていないようです。硬度が2程度しかなく、
柔らかすぎるのかもしれません。いつも同じことを言っていますが、
もう少し大きな結晶を手に入れて磨いてみたいです。
次回はアクアマリンを紹介したいと思います。
プロフィール
HN:
heliodor
性別:
男性
趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
P R