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どんな石でも磨けば光る

綺麗な石も普通の石も磨いてみます

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緑柱石/Beryl (アクアマリン/Aquamaline) 2

アクアマリンを磨く決意をした前回の続きです。

単に1つの面をひたすら磨いても良いのですが、
平板状にした上で両面を磨き、形も少し工夫してみました。



写真1 平板状にしたアクアマリンの原石。まだそれほど綺麗には見えない。


写真1は研磨紙の粒度600~1000くらい、中磨きまで研磨したアクアマリンの板です。
緑柱石はモース硬度7.5から8と、かなり硬い鉱物ではありますが、
結晶の方向によって硬さが変わること(柱面は底面よりは柔らかいようです)や、
ご覧のように結晶があまり綺麗ではない(結晶内に傷がたくさんある)こともあり、
硬度を知っていれば拍子抜けするほど簡単に削ることが出来ました。



写真2 ナイフ状に研磨したアクアマリン。


写真2と3は平板にしたアクアマリンをさらにナイフ状に削り、鏡面仕上げしたものです。
ナイフ状にする理由は2つあり、1つは比較的加工が簡単、もう1つは、
ただ磨いて綺麗になった、で終わりではなく、多少なりとも何かの役に立つからです。
とはいえ、本物のナイフのように切れるわけではありませんし、ペーパーナイフにもなりません。
弁当箱のセロテープを切れたり、輪ゴムが切れるくらいです。

鏡面仕上げしたアクアマリンは、平板状の時は良く判らなかった透明感があります。
穴でもあけて紐かチェーンを通せば、アクセサリっぽくなりそうですが、如何でしょう?



写真3 写真2のアクアマリンと同じもの。
    照明を当て、少し雰囲気を工夫してみました。

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緑柱石/Beryl (アクアマリン/Aquamaline) 1

元素番号4、ベリリウムを発見する切っ掛けとなった緑柱石という鉱物があります。
六角柱状の綺麗な結晶ですが、エメラルドの原石として有名な鉱物です。
ここで注意して頂きたいのは、エメラルドは緑柱石という鉱物ですが、
緑柱石はエメラルドではありません。エメラルド以外にも種類があり、
エメラルドは緑柱石という鉱物の亜種の1つになります。

ではエメラルドの他にどのような種類があるかと言うと、
比較的有名なものとしてはアクアマリンがあります。
また、ゴシェナイト、ヘリオドール、モルガナイト、レッドベリルなどなど、
色によって様々な種類に分けられます。

今日はこれらのうちアクアマリンを紹介いたします。



写真1 アクアマリンの原石。1パック500円。


アクアマリンは他の緑柱石に比べ安く、写真1のように透明度が低く
結晶の形も綺麗でないものなら1パック数百円で買えてしまいます。
質が低いとは言っても、20~30個も入っていると、その中の幾つかは
綺麗なものもあります。結晶が綺麗なものは観賞用に取り除いておいて、
あまり綺麗ではないものは自分で磨いてしまえば一石二鳥です。



写真2 長さ1~3㎝のアクアマリン。六角柱の形が少しだけ垣間見れる。


そういうわけで、写真2のようなアクアマリンの原石を、
いくつか磨いてみることにしました。

それほど文の量が多いわけでは無いですが、いったん区切って、
続きは次回書きたいと思います。

Cubeコレクション其の二


写真1 とある鉱物をサイコロ状にカットし、全ての面を鏡面仕上げしました。
    一辺2.5㎝ほど。


今日はサイコロ第二弾です。
敢えて鉱物名は書きませんが、非常に普遍的な鉱物です。
写真なので実物と少し色が異なると思いますが、薄い灰色をしています。

研究試料と一緒に研磨したので、ホームセンターで売っている
趣味用に使っている耐水研磨紙ではなく、専門のメーカーから買った
タングステンカーバイトと言った研磨粉と、回転研磨台などの専用の機器を用いてます。

したがって、いつも紹介している趣味で磨いた鉱物・鉱石より非常に綺麗に
研磨されているのですが・・・お判りでしょうか?
元の鉱物が地味なので、判りにくいと思います。

ちなみに、ヒントっぽくなりますが、もともと長方形の形をした結晶です。
いつか、その鉱物も磨いて紹介する時が来ると思います。



写真2 写真1と同じものを、別のアングルで撮った写真。

透明石膏(セレナイト)/Selenite


写真1 透明石膏(セレナイト)。1パックに十数本のセレナイトが入っています。
    お値段は1000円以下だった・・・はず。


ミネラルショー、という催しがあります。
鉱物や宝石、化石などを売る市場のようなもので、
日本各地で毎月のように開催されています。

数年前に、その安さから、特に目的無くセレナイトを買いました(写真1)。
値段は良く覚えてませんが、安さに釣られて買いましたので、多分1000円以下だと思います。
大体5㎝ほどの棒状結晶が多く、写真にある一番長い結晶で10㎝弱です。



写真2 セレナイトの結晶。大きい方で5㎝程度。


セレナイトは石膏(gypsum/ジプサム)という鉱物の1種で、
日本名の通り石膏のうち透明な物を指すようです。

石膏という鉱物はご存じのように、ギプスの材料になったり、建築材に使われています。
化学的には硫酸カルシウムの2水和物(CaSO4・H2O)で、
モース硬度2と爪で傷がつく位、柔らかい鉱物です。
また、化学的性質としてそうかは判りませんが、
研磨中の経験から、若干水に溶ける性質もあるようです。

さて、目的無く買ったセレナイトですが、数年間引き出しの中に放置されたのち、
ちょっとした気紛れによって陽の目を見ました。
セレナイトをネット検索すると、どうもパワーストーンなどお呪い系に
良く用いられているようです。その中に、剣のように加工されたものがあり、
ちょっと作ってみようと思い立った訳です。



写真3 ナイフ状に研磨されたセレナイト。約3㎝。


とはいえ、ネットで見られるような数10㎝の結晶は持っておりません。
手持ちの数㎝の結晶で、とりあえずペーパーナイフ状にしてみました(写真3)。
ペーパーナイフ状と言っても、実際には紙を切れません。
セレナイトが柔らかすぎるのと、刃が厚すぎることが原因かと思います。

セレナイトは石膏なので非常に柔らかく、ホームセンターに売っている
最も粗い目の耐水研磨紙で、面白いように削れます。
粗い100~200番台で形を整えた後、少しずつ細かい研磨紙で表面を綺麗にしていき、
2000~4000番台まで磨くと写真のようになります。

セレナイトは数百円で買うことができ、耐水研磨紙も数百円で揃えられます。
手軽で簡単。皆さんも如何でしょうか?

方解石(カルサイト)/Calcite

最初の方は、皆知っていて綺麗な鉱物から紹介していこうと思っています。
掴み、というやつです。

石英(水晶)でも宝石でも良かったのですが、すぐに用意できた写真の都合で、
方解石(calcite)が選ばれました。



写真1 文字の上に置くと二重に見えることで有名な、方解石(calcite)。


方解石は英語で書くとcalcite(カルサイト)、炭酸カルシウム(CaCO3)の結晶です。
デパートやビルなどで、大理石として使われているものを見たこともあるかと思います。
また、気付き難いところでは、消しゴムや歯磨き粉、医薬品にも入っていることが有る、
最も身近な鉱物の1つと言えるでしょう。
日本が海外へ輸出することが出来る数少ない鉱物資源でもあります。

そんな、名実ともに身近な方解石ですが、宝石として磨かれることはほとんどありません。
モース硬度3と傷つき易く、結晶構造的に割れ易く、さらに酸にも弱いためです。
残念ながら、岩石としてならともかく、写真1のような結晶を磨いたことは私もありません。
しかし、方解石の宝石が全く無いというわけでは無いので、ある所の方解石を紹介いたします。



写真2 カットして磨かれた方解石。スミソニアン博物館の自然史博物館にて撮影。


写真2はアメリカ国立自然史博物館で展示されている方解石です。左の写真は1865カラット
と表示されており、非常に巨大な宝石となっています。とても身に着けられる大きさではありません。
右の写真の左の方解石は、鉱物の持つ結晶の形に沿って磨いたのでしょうか、菱形をしています。



写真3 ブラウンカラーをした方解石の宝石。自然史博物館にて撮影。


白色のものばかりではありません。写真3はブラウンの色が付いた方解石が磨かれています。
流石はスミソニアン博物館と言うべきか、どの方解石も大きさが尋常ではありません。

方解石は比較的採集しやすい鉱物とはいえ、透明度の高い結晶はなかなか手に入りません。
そのうち、写真1くらいの透明度を持つもう一回りか二回り大きなサイズの結晶が手に入ったら、
それを磨いて行く過程を、紹介出来れば良いなと思います。
プロフィール
HN:
heliodor
性別:
男性
趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
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