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どんな石でも磨けば光る

綺麗な石も普通の石も磨いてみます

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黒曜石/Obsidian

火山が多い日本には、比較的黒曜石の産地が多いです。
矢じりやナイフなどの石器として有名な黒曜石ですが、
結晶ではないため鉱物ではありません。

黒曜石は良く知られているように、マグマが急激に冷却して、
結晶になる前に非晶質のガラスとして固まった岩石です。
ほぼSiO2で構成されているものの、ガラスなので石英ほどは固くありません。
大抵黒色ですが、白い斑点があったり赤色が混ざっているものもあります。
装飾品としても用いられているので、色のバリエーションについては、
画像検索するとたくさん出てくると思います。



写真1 黒曜石の欠片。縦2㎝、横4㎝、厚さ1㎝。


黒曜石はガラスのようなものですので、綺麗に磨くと非常に美しくなります。
北海道には白滝村や十勝地方と言った有名な黒曜石の産地があり、
手に入れ易いこともあって手元に幾つかありましたので、磨いてみました。



写真2 黒曜石の荒削りした面。縦3㎝、横6㎝、厚さ1㎝。


まずはなるべく平らな面を、粒度の粗い研磨紙で削っていきます。
写真2は粒度120の研磨紙で1面を平らにしたものです。
左右ともに同じ黒曜石で、見る方向を変えた写真です。




写真3 鏡面仕上げまで磨いた黒曜石。粘土の一部が鏡のように写っている。
    上段は写真2とほぼ同じサイズ。下段は花十勝と呼ばれる。写真1
    とほぼ同サイズ。


徐々に細かい粒度で研磨していき、最終的に鏡面仕上げまですると、
写真3のようになります。写真2の黒曜石とは別の黒曜石ですが、
磨きの差が明確に判るかと思います。

有名な産地ではほとんど採り尽くされ、特に、大きな岩石は残っていないそうですが、
小さい物なら現在でも多少は採れるようです。
ミネラルショップ等で買うことも出来ますが、黒曜石の産地に近い方は
ハイキングがてら採集し、磨いてみては如何でしょうか。
穴をあけて紐やチェーンを通せば、アクセサリーとして使えると思います。
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マンガン鉱石


写真1 ピンク色のマンガン鉱石。横約5㎝、高さ4㎝。北海道南部にて採集。


それぞれの土地には、特産とも言うべき岩石や鉱物があります。
それは何百万年、ときに何億年というスケールの土地の歴史に因るものですが、
北海道南西部では、写真1のようなマンガン鉱石がそれに当たるかもしれません。

実際、過去に採掘されていたマンガン鉱山の多くはこの地方にあり、
上国鉱山、稲倉石鉱山、大江鉱山などは代表的な鉱山であると共に、
美しい鉱物標本の産地として知られています。
稲倉石か大江か忘れましたが、インカローズ、積丹ルビー、積丹ローズと言った名で
宝石としても売られており、なかなかの値段のようです。



写真2 写真1の鉱石を1面だけ研磨したもの。写真が悪いので
    判りにくいですが、鏡面仕上げしているので、実物は
    もう少し綺麗に見えます。


写真2は写真1の鉱石を鏡面になるまで磨いたものです。
白く透明な部分は石英(quartz)、ピンク色の半透明な部分が、
おそらくバラ輝石(rhodonite/ロードナイト、MnSiO3)です。

おそらくと書いたのは、pyroxmangite/パイロキシマンジャイト(日本語は判りません)
という、非常にバラ輝石と良く似た鉱物が一緒に産出するからです。
このパイロキシマンジャイト、組成はMnSiO3、結晶系は三斜晶系と、
実はバラ輝石と同じで、それ故に非常に見分け難い鉱物です。
何が違うかというと、生成する温度が違うようで、
パイロキシマンジャイトは高温相、バラ輝石は低温相のようです。
見分けるためにはユニバーサルステージという特殊な装置を用いた熟練の観察技術や、
X線分析などの精密分析が必要になります。

一部インターネット上ではこれらの鉱物は共生しないとも書かれておりますが、
この鉱石を研究していた学生が、多分バラ輝石だろうけどハッキリとは判らない
と言っていたので、そのように書きました。

最初に書いたように、これらの鉱石は比較的手に入り易いです。とはいえ、
素人では正確な場所や知識、マナーなど気を付けなければいけないことも結構あります。
簡単な方法としては、大学や博物館で時々行われる、鉱石の採集ツアーに参加するというものがあります。
札幌では今年もいくつか採集会があるようですので、興味があったら是非参加してみて下さい。
プロフィール
HN:
heliodor
性別:
男性
趣味:
石磨き他
自己紹介:
岩石・鉱物学を修めています。
研究とは別に、自ら採取したもの、買った物、廃棄物からの取得物を用い、石を磨いています。
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